宅建業免許を取得するとすぐに営業をすることが可能なのでしょうか?
実は宅建業は免許を取得しただけでは営業を始めることができません。
宅建業法で「供託」するか「保証協会」に加入しなければならないとされているからです。
では「供託」と「保証協会」は何が違うのでしょうか? それぞれの特徴を解説させていただきます。
供託と保証協会の違い
供託と保証協会の違いを解説する前に、なぜ供託か保証協会に加入しなければ営業をできないのかを説明しておきます。
宅建業で取り扱う商品は不動産です。とても高額な商品のため、もし何かトラブルが起きたときに莫大な額の損害が発生する可能性があります。
そのときに宅建業者がすべての損害を賠償できればいいのですが、宅建業者の資力が充分にないと賠償できる額にも限界があります。
そしてそのような場合、損害を受けたお客様に多大なご迷惑をおかけすることになります。
なので営業を始める前に供託か保証協会に加入することで、損害が発生したときの債務の弁済を一定範囲で担保する必要があるわけです。
お客様の保護、またお客様が安心して取引をするためにも、供託か保証協会の加入をしなければなりません。
供託
ではここから供託と保証協会の違いを説明していきます。どちらを選択するかは宅建業者さんの自由です。それぞれの特徴を理解してご自身に合ったほうをお選びください。
まず供託ですが、主たる事務所(本店)の最寄りの供託所に供託金を納めます。
主たる事務所(本店)は1,000万円、従たる事務所(支店)は500万円を供託します。また従たる事務所は一か所につき500万円なので、支店が増えると供託する額も増えることになります。
供託は現金以外でも可能で、例えば国際証券や有価証券などでも供託できます。
額面を見ると次に説明する保証協会と比べてとても高額ですが、供託が完了するとすぐに免許証を受けとれるなどのメリットがあります。
ただ、レインズという不動産業界でよく使われている情報システムが使用できないなどのデメリットもあります。
実際に多くの宅建業者は保証協会に加入されるのですが、本店はすでに設置してあり支店を新たに設置する場合に供託を利用される宅建業者もいらっしゃいます。
この場合、本店の設置のときは保証協会に加入していてレインズを使用できる環境が整っているため、支店は供託にして早く免許証を受けとり営業をすぐに開始されるからです。
このようにケースバイケースで選択されるのもよろしいかと思います。
保証協会
次に保証協会について説明していきます。まず保証協会は2つあります。
- 全国宅地建物取引業保証協会(ハト)
- 不動産保証協会(ウサギ)
カッコ内のハトとウサギというのは宅建業界で使われている呼び方で、それぞれの協会のマークからそのように呼ばれています。
この2つの協会ですが大きな違いはありません。分担金(供託で言うところの供託金のこと)も同じ額になるので、お好きなほうをお選びください。
分担金は主たる事務所(本店)が60万円、従たる事務所(支店)が30万円となります。
従たる事務所(支店)は供託と同じく一か所につき30万円が必要です。
供託と比べるとかなり費用をおさえて営業を始めることができるので、多くの宅建業者は保証協会の加入を選択しています。
まとめ
供託と保証協会について解説させていただきました。ご理解いただけましたでしょうか?
どちらを選ぶかは自由ですが、どちらも選ばずに営業することはできないということがわかっていただけたかと思います。
また多くの宅建業者は保証協会の加入を選んでいることもご理解いただけたのではないでしょうか。
この記事の他にも宅建業免許について解説した記事がありますので、理解を深めたい方はお読みください。
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